HMDは電脳コイルの夢を見るか?

先日、ちょっと用事があって東京ビッグサイトで開催されていた「国際物流総合展2008」を見に行ってきました。

基本的には畑違いのため、あまり興味深い展示は無かったのですが、ひとつだけ面白い展示がありました。


村田機械「ゆびキタスピッキング」というソリューションです。


ピッキングといっても、鍵穴に金属棒を差し込む方では勿論なく、倉庫や配送センター内にある在庫を、リストに基いて取り出してくる、というアマゾンでインラインスケート履いたお姉さんがやっている(妄想)アレです。


通常は、インラインスケートはともかく、ピッキングリストをクリップボードに挟み、カートを押しながら倉庫内を徘徊する、という作業だと思いますが、これを効率化するためにHMD(ヘッドマウントディスプレイ)を採用し、腕にはRFIDリーダを付けているそうです。


実際にはこんな姿になります。

なかなかサイバーですね。
口元のマイクは音声認識対応で、作業指示を行うためにあるそうです。
HMDには、ピッキング対象がこのように表示されます。

これまでのリストに比べて、ピッキング対象物の画像や、倉庫内や棚の配置図などが表示されるため、判りやすく間違いにくいピッキングが効率的に出来るようになったそうです。


という事で、現状ではまだまだサポートに使う程度ですが、これが進化してHMDに付けられたCCDカメラで撮影した映像に必要な情報を重畳表示できるようになれば、電脳コイルの世界がかなり近付くことになりそうです。


電脳コイルに近い技術としては、最近では「世界カメラ」もかなり面白そうな感じではあるのですが、如何せん技術的背景が不明確で、もひとつ信用できない…という所で諸手をあげて「すげ〜!」と言い難いところなのでいた。


まだまだ、メガネに本体全てを組み込む事は出来ませんが、電脳メガネも電脳化された都市内で機能することを考えると、限定空間内でのアプローチとしては電脳メガネに近いことが実現できそうですね。
今後の展開が楽しみです。