白いワニ伝説
昨日から、読売新聞朝刊に「マンガ50年」というコラムが掲載されています。
「週刊少年サンデー」「週刊少年マガジン」が生まれ今年で50年。戦後マンガの活力を探る連載第2章は、ギャグマンガの爆発と描き手の苦悩を4回で追う。
昨日は、60年代に赤塚不二夫の創始したギャグマンガが、70年代に過激さの頂点に達したという事で、「がきデカ」を紹介していたのですが、今日は江口寿史氏の紹介でした。
1977年に初連載「すすめ!パイレーツ」を少年ジャンプ誌上で開始した江口氏は、「少年チャンピオン」で鴨川つばめが連載する「マカロニほうれん荘」と双璧をなす人気を獲得しました。
やがて、鴨川つばめは週刊連載の過酷さに耐えられず、「消えたマンガ家」になってしまったのですが、江口氏もその辛さを「ストップ!!ひばりくん!」の中で「白いワニが出る」というギャグで表現していました。
このことについて、江口氏はこう語ったそうです。
江口はそのつらさを「毎週、テンションを上げ続けてヘトヘトになり、次々新しいものをという強迫観念で自家中毒みたいに疲弊していくようだった」と振り返る。
ひばりくんは、当時の連載で読んでいたのですが、「白いワニ」は幾分の本音は入っているとはいえ、ギャグがメインだと思っていましたが、想像以上に魂の叫びだったのですね。
記事はさらに続きます。
復帰してもかつての人気を取り戻せなかった鴨川に対し、青年誌に舞台を移した江口は、絵に凝りすぎて何度も連載を中断するが、「原稿が落ちる」こと自体をファンがギャグととらえ、センスや画力とともに“伝説のカリスマ”になった。
そうですね。
先ちゃんだから落としても仕方ない、パパリンコ物語が中断したときもそう思っていましたし、「さすが先ちゃん、そこに痺れる憧れるぅ〜」と思っていましたとも。
けれども、ご本人は本意ではなかったということなのです。
「でも、原稿を落とすことを自分で芸にしたつもりはない。ギャグにされて傷ついた」と打ち明ける。
そ、そうだったんですか…。
でも、そうでも思わないと待ってられないですからねぇ…
それはともかく、先ちゃん春からデビュー当時の自分の「まんが道」を青年誌に連載する予定との事です。
「今までの作品はすべて人を楽しませるため描いてきた。今度は初めて自分のために描くつもり」と言う先ちゃん、果たしてどんな作品になるのでしょう?
ゆっくりしながら待ちたいと思います。
【マンガ50年】ギャグは爆発する(1) 少年誌の良識に「死刑!!」