涼宮ハルヒの必然


3年は決して短い時間とは言えません。
時間を止められた部屋にいた我々と違い、長門は待機モードのまま、ひたすら時が満ちるのを待ってました。


当時創造されたばかりの長門にとって容易い作業だった筈のそれは、異時間同位体と情報連結し、3年後の人格と知識を持ってしまった長門にとっては、恐るべき苦行だったのではないでしょうか?
そして、再び時は流れ出しました。


3年前、僕は「物語内の絶対時間は、2009年4月から開始に決定!!」と書きました。


祝日法の改正によって、2009年が「GW明けが水曜」という条件から外れる事は当時から指摘されていました。
しかしながら、当時その根拠とした最大の理由は、「3年前の異常な情報フレアとは、2006年4月に起こったネット上のYouTubeをはじめとするハルヒ関連の情報爆発である」というシンクロニシティへの気付きであった事から、2009年説を変えるつもりはありませんでした。


2006年の七夕に中学1年生だったハルヒは、この2009年4月にめでたく北高にご入学。
GW明けからSOS団を結成し、日々精力的に活動なさっています。
先週まではその様子が放映されていました。


当然のことながら、今年の七夕にキョンとみくるは3年前、すなわち2006年の七夕にタイムトラベルを行い、長門の部屋から帰還することになります。
この行為によって、ハルヒは北高への進学を決め、長門は3年にわたるのエラーの蓄積から「消失」を起こしてしまい、神の視座である我々はようやく「消失」を目の当たりにする事が出来る訳です。


そう考えると、この物語には相変わらずシンクロニシティが作用しているんだなぁ、と感じざるを得ません。


もちろん、様々な「大人の事情」で2期の放映がこんなに遅れてしまったのも、「角川のメディア戦略」でこのような公開形態や情報統制が敷かれたのも、充分以上に承知した上で、やはりそう感じずにはいられないのです。


tekitouotokoさんは「角川ちょっとウザくね?」(ハルヒにまつわる戦略について・思考錯誤)と書かれています。


半分はそう思います。
正直、「今更こんなサプライズに驚くよーな俺たちじゃねーよ!角川必死だな。プゲラ」という気持ちを持った人も多いと思います。

1期の構成が「超監督ハルヒならこう見せる」という考えの下でなされたものである事に納得していた我々は、2期が時系列順でなければ「消失」を語ることが出来ないことを知っている訳ですから…

とはいえ、何の偶然だか判りませんが、2期の放映が、奇しくも前回の放映からきっちり3年後になってしまった、というこのシンクロニシティに、僕は素直に驚きと喜びを覚えたのでした。


まあ、角川の中の人達は、3年前に偶然起こった事を今度は人為的に起こそうとしているんでしょうけど、「相変わらず判ってないなぁ…」という感想しか持てません。


思い起こせば2006年頃というのは「Web2.0」とかが流行っていて、バズマーケティングとかが喧伝されていた時代でした。

そんな浮かれた気分の中で、ハルヒの成功はいかにも「Web2.0」的で、喰い付き易かったんでしょうね。(僕は当時からハルヒはWeb2.0で流行ったのではないと考えていたのですが、角川の中の人達はどうだったんでしょうか?)


偶然の成功を法則化できたと思ったり、必然に変えられると思うのは、成功に酔っている人達には良くあることです。
ネットマーケティング業界にもそういうネタは事欠きません。(キットカットとかね)


ただ、冷静な周囲から見れば、やっぱり痛いんだなぁ>今の角川のやり方。
うん、ウザいというより痛いというのがぴったりくるように思います。


「まだそんなやり方で釣れると思ってるんだ…可哀想に」って感じかな。


頑張って驚かせようと思ってくれてるのは有難いけど、バレバレなんでもういいよ。どうせやるなら、もうちょっと上手く騙してくれないかな〜、って思うのは傲慢でしょうか?


何故ならば…既に3年前に石原監督はインタビューでこう語っているからです。

――アニメでやらなかった話について

監督 憂鬱+アニメ向きの短編をピックアップした。だから長編(溜息&消失)はやらなかった。

笹の葉をやらなかったのは消失とセットの短編だから、谷川氏と相談して外した。

エンドレスエイトはやるつもりだったが途中で憂鬱が全5話から全6話に変更になったため泣く泣くカット。


――今後やりたい話は?

監督 ファンが見たいという話をやりたい。

消失をやるなら笹の葉も一緒に。個人的にはヒトメボレLOVERがやりたい。


これを覚えていれば混合放送の予測にも納得がいきます。

828 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2009/03/10(火) 12:28:55 id:Inr+KEPI0
前にあったのを転載&修正。ごちゃまぜにするとこんな感じなると思われる。
時系列順だと新作が来るのは5/21……

04/02 第01話 涼宮ハルヒの憂鬱
04/09 第02話 涼宮ハルヒの憂鬱
04/16 第03話 涼宮ハルヒの憂鬱
04/23 第04話 涼宮ハルヒの憂鬱
04/30 第05話 涼宮ハルヒの憂鬱
05/07 第06話 涼宮ハルヒの憂鬱
05/14 第07話 涼宮ハルヒの退屈
05/21 第08話 笹の葉ラプソディ   → 新作
05/28 第09話 ミステリックサイン
06/04 第10話 孤島症候群(前編)
06/11 第11話 孤島症候群(後編)
06/18 第12話 エンドレスエイト    → 新作
06/25 第13話 涼宮ハルヒの溜息1 → 新作
07/02 第14話 涼宮ハルヒの溜息2 → 新作
07/09 第15話 涼宮ハルヒの溜息3 → 新作
07/16 第16話 涼宮ハルヒの溜息4 → 新作
07/23 第17話 朝比奈ミクルの冒険 Episode00
07/30 第18話 ライブアライブ
08/07 第19話 射手座の日
08/14 第20話 サムデイ イン ザ レイン
08/21 第21話 涼宮ハルヒの消失1 → 新作
08/28 第22話 涼宮ハルヒの消失2 → 新作
09/03 第23話 涼宮ハルヒの消失3 → 新作
09/10 第24話 涼宮ハルヒの消失4 → 新作
09/17 第25話 涼宮ハルヒの消失5 → 新作
09/24 第26話 ヒトメボレLOVERS   → 新作


ヒトメボレLOVERが最終話というのも、先の監督の希望・時系列順等から考えると妥当だと思います。
ヒトメボレLOVERの次のエピソードとなると雪山症候群になってしまい、天蓋領域が絡んでしまうので(原作が時間凍結中の現時点では)手を付けられないでしょうからね。

まあ、雪山症候群〜分裂・驚愕までをまとめて今冬映画化!とかだったら、それはもう本気で驚いて角川を褒め称えるんですけどね…
本気でサプライズを狙うって言うならそれくらいやって貰わないと。


色々と書いてきましたが、そんな周囲の思惑など関係なく、「3年間」という暗合が出て来てしまうのがハルヒの面白さだと思っています。
「3年間」という偶然は必然であったのでしょう。


しかも、2期は間違いなく「消失」を中心とした長門の物語。
「憂鬱」から始まった物語は、「溜息」まではハルヒを中心とした流れですが、「ライブアライブ」で長門がその流れに大きく加わり、「射手座の日」以降は完全に長門の話になります。

1期との混合放送でストレスが溜まるのも、来るべき「消失」に向かって長門がエラーを蓄積していると思えば、一緒に待てるではありませんか。


そういう意味では、中の人達が期待したような踊り方ではないでしょうが、存分に踊らされたいものです。


<追記>
そもそも情報フレアについて書くきっかけとなった、「みたいもん」さんでもハルヒ新作『笹の葉ラプソディ』まで、待っててよかった3年間というエントリを上げておられます。

さらに3年という期間については、ホントはもっと早くなる予定だったと思うんだけど、気づいてみたら、けっこう時間が経ってしまって、なんかネットとかだとまだハルヒ人気あるみたいだし、どうせ3年がキーになる話なんだから、ホントに3年後にしてしまえ!ということなんじゃないかと。

ううぅ… そうですね。
冷静に考えれば多分そうなんだろうけど、ここはハルヒ長門の力だと思って楽しむことにします。