11話「射手座の日」

choiota2006-06-15


のっけから宇宙艦隊てんこ盛り、思ったとおりパロディ満載且つ長門特盛の回でした。


う〜ん、堪能した…。

まあ、パロディ元ネタ指摘は多くの人がやってるのでスルー。

ちなみにいしたにさんは、長門コマンドプロンプト全開のデスクトップを分析されてます。

もらかなです。さんも、コマンドプロンプトで何をしてる(エラーダイアログ書いたり?やコンパイルしてる!)のか分析されてます。(もらかなです。さんの記述ではもう少し気付いたことがあったので後述します)


そうそう、よく「パソコンを使う」描写で、やたらキーボードを叩く絵とかあるけど、GUIでそんなことしね〜よ!って感じですもんね。

コマンドプロンプト開いてるならOKでしょう。(まあ原作では、分艦隊を操作するのにGUIではまだるっこしいのでコマンドラインを使ってるみたいな描写だったように思いますが)

そんな訳で、キョンの許可(!)が出てエンターキーを押したら完了って訳ですね。





あと、モザイクガンダムと「落ちろ!カトンボ」がツボった〜。










<激しくネタバレ!>













原作との大きな違いは2つ。

長門がPCに初めて触れ、あっという間にスーパーハッカーになる。
 (原作では、勝負を持ちかけられた当日、長門はノートPCとソフト持ち帰り「解析する」と言っています)
・コンピ研が仕込んだワープについては削除され、敵旗艦を追い込んだのは長門がやった事になった。
 (原作では敵艦隊だけがワープ機能を持ち戦闘を有利に進めていたが、長門の反撃でワープ後敵旗艦が自軍の中央に移動するよう設定を変更したので、どちらにせよ長門がやった訳だが)

という部分でしょうか。


いずれも長門の活躍をより印象付ける演出で、作画も気合入りまくりでした。
台詞は少なかったけどね。

「これでギャラはおんなじですぅ〜」とかだったら怒るだろうな〜

長門がPC初心者なのは、ミステリックサインと矛盾する〜っていう指摘もありましたが、いいのだ。>空中マウスふにふにが可愛いから。


それはそうと、ゲームの練習で、ハルヒが突撃しかしないっていうのは、性格的には判るし、繰り返しギャグとしては面白い描写でした。

が、本来ハルヒは頭が良い(しかも本当は常識人)という設定なので、戦略戦術は一応考えるけど、いざ戦闘となれば血が騒いで我慢しきれなくなって暴走する、みたいな描写の方が良かったのでは?と思います。


まあハルヒはメインストーリー(憂鬱)で活躍してるので、サブストーリーは長門という役割分担で結構ですけど。


っていうかもっと長門を!


それにしても、コンピ研の不正を撃破するのにキョンの許可を得ようと見つめるシーン、瞳に吸い込まれそうです。キョンの映りこみ邪魔だってば!どけよ、全く。オイラが映りこまないだろうがっ!(病気だ)


ここで前述のもらかなです。さんの記述で気付いた事があります。

もしかすると 今回 長門は 興味を抱いたものだけに それを作った コンピ研が ルールを順守してなかった行為に対して 怒っていたのかもしれない
だから 意地でも 人間が出来る範囲の行為で 勝ちたいと思った、多分 そういう気持ちを 長門から読み取ったから キョンも ゴーサインを出したのだろう

そっか〜、長門は「コンピ研が不正をしている」というレベルではなく、プログラムが二重規範によって不正に制御されているというルールの逸脱が、(同じプログラムとして)許せなかったのかも知れないですね。

そして、以前考察した「サムデイ〜」において、ハルヒも易々と世界を改変する事がきっかけとなって、自分の欲求を叶えたいと思いはじめる…。

その為には、ハルヒが力を持たず、キョンと出会うことも無く、ハルヒを観察するという任務も無く、情報空間制御能力を持たない普通の感情表現を持つ女の子、という自分自身が必要だった…

…と考えていくと、「消失」は、単に長門にバグが蓄積して引き起こした、というよりも長門の希望を叶えるために、論理的に積み上げられた結論ではないのか?という気がしてきました。




さて、次回は「ライブアライブ」、文化祭の話です。

これがここで来るとは、ちょっと意外でした。

構成が時系列とすると、以下のようになると思われます。



構成 放送
第1話 2話 涼宮ハルヒの憂鬱I
第2話 3話 涼宮ハルヒの憂鬱II
第3話 5話 涼宮ハルヒの憂鬱III
第4話 10話 涼宮ハルヒの憂鬱IV
第5話 13話 涼宮ハルヒの憂鬱V(予想)
第6話 14話 涼宮ハルヒの憂鬱VI(予想)
第7話 4話 涼宮ハルヒの退屈
第8話 7話 ミステリックサイン
第9話 6話 孤島症候群(前編)
第10話 8話 孤島症候群(後編)
第11話 1話 朝比奈ミクルの冒険
第12話 12話 ライブアライブ
第13話 11話 射手座の日
第14話 9話 サムデイ イン ザ レイン



ライブアライブ」は文化祭当日のみくる・ハルヒ長門がしたことを描写するだけですので、絵的には賑やか(勿論それはそれで楽しみ!)ですが、ストーリー上一見大きな動きが無いように思えます。

けれども、これで今シーズンの全体構成の意図が判ったように思います。


今シーズンは、「憂鬱」をメインストーリーとし、サブストーリーではハルヒ長門の変化を追っていく事がテーマなのではないかと思われます。


特にライブアライブでは、ハルヒが「損得勘定抜きに他人のためにした行動が感謝される」という、初期の自己中突撃DQNちゃんから大きく(まあ、マイナスからゼロかもしれませんが)成長した様子が描かれます。


これは、「ミステリックサイン」では、事件が起こっても自分の楽しみのためにしか関与できなかったのに対して、「ワンダリング・シャドウ」においての感情移入などに顕著です。
ワンダリング・シャドウでは、SOS団以外の友達が出来始める事も示唆されています)


また、長門が自我と意識を持ち、個体としての感情を持つようになる様子が丁寧に描写され、これは来るべき「消失」への布石になっていると言えます。


映画撮影や、文化祭代役ライブなどで生の実感を得た長門が、静かに欲望を高めていき、
やがて沸点に達しようというきっかけが「サムデイ〜」で描かれた(すべての始まり!)わけです。


そう考えると、第2シーズンの構成のは当然「消失」がメインストーリーになります。


その為に「笹の葉ラプソディ」は事前に語られる必要があること、また「陰謀」の冒頭、更に過去の修正に向かう、という流れも押さえる必要があります。


また、間を埋めるサブストーリーとしては、「雪山症候群」(+「猫はどこに行った」)「ワンダリング・シャドウ」などがあると思われます。


あと「ライブアライブ」で、発熱した3年生を出場停止にしようとする時に、生徒会長とも面識が出来るのかも知れませんので、それは「編集長★一直線!」への伏線として使われる可能性が大きいですね。


射手座の日で古泉がそれを企画する瞬間が描かれています。

「だってさ」とハルヒは唇を尖らせて、「てっきり生徒会が部室の明け渡し請求に押しかけたとかと思っちゃったのよ。そろそろ来る頃合いかなあって計算してたのに。まったく、ややこしいことしないでよね」
「だとしてもキックしていいことにはならんだろ」
 俺がハルヒを諌めようとしていると、
「そう言えばそのイベントがまだでしたね……」
 いつの間にか戸口に立っていた古泉がひょっこり廊下に登場し、考え込むような顔をしやがったのでその爪先を踏んづける。

んで、「編集長★一直線」へと繋がっていく…

という事で、やるかどうか不明の第2シーズンは、長門の暴走と時間旅行によるSOS団創設の種蒔き等(ジョン・スミスによるSOS団のネタ振り)、それを受けてキョンが受動的な立場から積極的に関わっていく決心をする、みくるが自分の存在意義に疑問を持ち始めるなど…が描かれることでしょう。特盛だな〜入りきるか?

つまり、第1シーズンは、世界を改変可能な特殊能力を持つが対人コミュニケーション不全かつ超自己中心的な涼宮ハルヒが、キョンと出逢い経験を重ねて人間的な感性を取り戻していくプロセスが描かれており、第2シーズンでは長門の感情獲得とそれによる世界の改変など長門中心の話と全ての鍵はキョンだった事が解明され、それに気付いたキョン長門に頼るだけではなく自分自身が長門も含めた世界を守ることを決意する、というような事になるのではないかと…嗚呼ネタバレ全速前進!


まあ、そんな御託はどうでもよくて、今回もひたすら長門かわいいよ、長門でありました。

詳細レビューはA-MIXさん(前編)(後編)で。

特に後編の「長門さん9連発」があってブラヴォ〜!!


(先日来眠くて落ちかけで訳判んなくなってたので修正しました)

涼宮ハルヒの暴走

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