涼宮ハルヒ≠Web2.0
絶望した。はてなのサーバに絶望した。
今日に限って管理画面から直接入力してて、確認しようとした瞬間に全部消えて絶望した。
データはバックアップしていない時に限って消失する…ってマーフィーの法則かっちゅうの。
返せ〜返してくれよ〜俺のザビーゼクター原稿と時間〜
…気を取り直して。
【ヒットの“共犯者”に聞く】涼宮ハルヒの場合 II 角川書店スニーカー文庫編集部インタビュー その2が公開されました。
前回、その1では、原作のセールスにどれだけ影響があったか、が語られていました。
・4月の放映開始から約5週間で50万部、9月までに更に100万部が売れた
・全巻ほぼ同じように売上が伸びた(全巻買いされた)
1巻が10万部達成するまでに約1年かかったこと、アニメ放映前の既刊が130万部だったことからも、200%以上という異常な伸び率は特筆すべき「事件」であったことが判ります。
しかし、このインタビューで重要なのは、『アニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」はWeb2.0コンテンツではない』という視点からこの現象を読み解こうとしている点です。
昨今の安直なWeb2.0/口コミマーケティングに辟易してる僕としては、冷静かつ真摯な記事に感心しました。
第2回目は、「ハルヒのアニメ化はどう始まったのか」というお話です。
「深夜枠アニメ」というビジネスモデルについて、原作側の認識やスタンスが明らかになったのが収穫でした。
・深夜枠アニメ→DVDのモデルでは、原作の売上増については期待度は小さい
・放映が1クールというのは(小説への波及効果としては)ハンディキャップ
・メディアミックスの効果は、小説では遅い(コミックスは早い)
一番印象的だったのは、スニーカー文庫編集長・野崎岳彦氏の言葉です。
みんなが認知して本にたどり着いたときには放送が終わっている、放映されれば一定の効果はあるにせよ、できればもう1クール欲しいわけですよ。従来の考え方であれば。
「CMは崩壊した」とか「地上波なんてもう駄目」という説が跋扈していますが、こと「リーチ」という効能においては、地上波に比肩し得るメディアというのは当面無い、と僕は思っています。
AISASモデルでいう所の「Atention→Interest」まではマスメディア中心の領域で、以降の「Search⇔(Action)⇔Share」がネットの領域だと考えています。
つまりネットは「リーチ」以降を加速・増幅するブースターであって、その中で全てを完結できる万能装置ではない、という部分が昨今のWeb2.0ブームに乗れないばかりか、バブルに過ぎないと思っている所以なのです。
さらに、コンテンツ制作という投資回収事業にとっての適正規模という観点から考えると、地上波の規模が手頃であると考えられます。
・地上波以外のテレビ媒体
対象となる市場が細分化されてしまい、投資規模を大きく出来ない
・映画
投資規模が大きく、成否の影響が大きすぎる
映画について言えば、当初劇場公開を予定していた『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society』が、CS+DVDとなったのが記憶に新しいですね。
攻殻の場合は、DVDセールスと北米市場でのセールスが読めるので、劇場への配給・公開や地上波でのリーチを必要としなかった、という判断だと思います。
また、映画のリスクを最小化する手法が奏功した例としては『時をかける少女』が挙げられます。
「時かけ」については時をかける少女セミナーレポート(桀紂屋さん)に詳細な説明があるので参照ください。
という事で、ようやく安易なWeb2.0幻想に流されずに、ハルヒの成功を分析する土壌が整ってきたように思います。
今後、連載の進行に合わせて進めていきたいと思います。
<追記>
平和の温故知新@はてなさんにて、もっと詳細に1・2回のまとめをされていました。
この記事における「共犯者」は、ネットを中心に情報発信をし、購買行動もした「視聴者」を指していると思います。
また、黒幕的存在たる「真犯人」がいるのか?という点については、幸運なアウフヘーベンであって、実体は無かったのではないかと思っています。(或いはアニメ版孤島症候群(後編)の人影みたいなもん?)
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