涼宮ハルヒの場合 III&IV

思ったより随分ペースが速いです。
11日付けでもうIIIが掲載されたので、書こうと思ってる内に日付が変わったらIVも公開されてました。0時自動更新か、参った…


という事で、駆け足で行きます。


IIIは、「原作本はなぜバカ売れしたのだろう」の巻。

ラノベ原作のアニメは沢山あるし、その中には元々ハルヒより売れていたラノベもある…なのに何故ハルヒの原作はアニメ開始後200%という驚異的な売れ方をしたのか?を検証しています。


これは大して難しい話ではないですね。
坂本氏も明快に分析されています。

ざっくりまとめると以下の通り。

・時系列シャッフル構成のために、原作で「予習」しようとした
・原作を読んでも、なおアニメが面白かった
・原作も時系列順ではなかった


さらに、野崎氏の分析。

・映像のノベライズは「追体験」の場
・映像の完成度が高ければ、もっと味わいたいという飢餓感がある
ハルヒの場合は、飢餓感に対して原作があった
・原作だけでは飢餓感を埋められない所をファンサイトが補完した


「謎や飢餓感に、ウェブ上のコミュニケーションがかかわって、最初は小さな波が、非常に莫大なリアクションになった、と思うんですけどね。」(野崎氏)というのが、明快な分析だと思います。

1 原作が、「キョンの一人称」で敢えて主人公の見えていない事象は読者にも見えない、というスタイルを貫き、アニメも忠実にこれを踏襲した結果、視聴者には見えない謎が多く残りました。

2 しかもその謎は原作を読んでも解消されない…

3 その上、京アニの徹底したリアル描写により、原作以上の情報量が詰め込まれた画面が何の説明も無く提示された訳です。

4 それらの謎や書き込みを、次々と調べ解説するファンサイトが乱立しました。

5 ファンサイトで断片的にアニメに触れた人に対して、タイミング良くYouTubeがその欲求を、少しだけ満たしましたが、飢餓感が募ります。

6 実際にアニメを見るに到り、さらに飢餓感を募らせるユーザが増えました

7 1に戻る


という流れですね。


さて、話は制作当時に戻りまして、問題の放送第1話「朝比奈ミクルの冒険 Episode00」の試写が編集部の会議室でプロジェクターを使って行われました。

見た直後、「全員が呆然としていました(笑)」(坂本氏)という事で、第4回に。


IV「あの第1話を見て編集部は、正直、どう思ったのか」

編集部の反応、賛否の比率は、2〜3人が「これは凄い」と言ったものの後の10人は「う〜ん」と言ったきりだったとか。


この時点で、放送1話の内容を事前に知っていたのは坂本氏のみ、という事でスタッフの一人として関わっていた坂本氏は「共犯者」である、と野崎氏は言います。


ここには若干異論を唱えたいですね。
坂本氏は、京アニが主犯として、従犯か共同正犯かも知れませんが、山中記者が最初に書いていた、行動を起こした一般人としての「共犯者」とは一線を画すものだと思います。


さて、それではハルヒの何がWeb 2.0的だったのか?


ファミコンゲームで始まった「裏技」や「隠し○○」を探す行為と同じような事がハルヒでも起こっていた、但し、ハルヒの事例がこれまでと大きく異なるのは、同時多発的に起こったコンテンツの裏面を探す行為のプロセスや結果がネット上に流れる事によって、共有され興味の喚起に繋がった、という事だと思います。

そういうハルヒを取り巻く状況が、Web 2.0的ソリューションであるBlogやYouTubeに乗った事がアニメのヒットと原作本の売上という結果を出した、と言えるでしょう。


【ヒットの“共犯者”に聞く】涼宮ハルヒの場合 III 角川書店スニーカー文庫編集部インタビュー その3

【ヒットの“共犯者”に聞く】涼宮ハルヒの場合 IV 角川書店スニーカー文庫編集部インタビュー その4


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