読売新聞に荒木飛呂彦特集記事掲載

読売新聞夕刊水曜日に掲載される「ALL ABOUT」には、毎回様々な分野のクリエイターが登場するのですが、2/14は荒木飛呂彦氏がズキュゥゥゥンと降臨されました。

 ふるえるぞハート!燃えつきるほどヒート!漫画界の貴公子、荒木飛呂彦の世界を一言で表現するなら、「異端にしてメジャー」「熱血にしてダーク」という事になるだろうッ!
代表作『ジョジョの奇妙な冒険』が連載20年を超え、小説、ゲーム、アニメ文化にも影響を与え続ける荒木ワールドに迫るゥ!


インタビュアーは勿論っ!読売新聞の干将・莫耶(オタク固有結界専用)、石田汗太記者です。(もう一人は言わずもがな…)


以下、インタビュー抜粋です。
質問文は青字にしました。

まず、ジョジョ連載20年超とアニメ化について。

 いま読み返すと未熟な所もありますが、若いだけにパワフルで、今では描けない部分もある。20年前の作品が支持されているのはありがたい。映像化については、僕があまり口を出すと良くないので、娘を嫁に出すような気持ちで、ひたすら幸運を願っているという感じですね。


『スタンド』という独創的なアイデアは、そもそもどのような発想から?

 「超能力」を絵にしたいと思ったんです。僕の好きな画家のゴーギャンは、「絵の中に心を描いた」と言われますが、それなら超能力も絵に出来るだろうと。
スタンドは「守護霊みたいなものが出てきて、相手を殴るんです」と編集者に説明しても、最初は「全然わからん」と言われました(笑)

や、やっぱり、最初からオラオラだったんですね(笑)
そりゃ編集者さんも訳わかんなかったでしょうね。

少し飛ばして、影響力についての質問です。

作家の西尾維新さんや乙一さんも荒木ファンを公言していますし、スタンド同士の「ルールあるバトル」という発想は、最近の漫画やゲームなどにも多大な影響を与えています。

 そう言ってもらえるとうれしい。
時々「似てるな」と思うものがないでもないですが(笑)、そこからまた新しい作品が生まれて、マンガ界全体が盛り上がるならいいなと思います。

流石、荒木御大は鷹揚です。

荒木ワールドには、健全な明るさと異常なダークさという、正反対のものが融合していますね。

 光を描くほど影も濃くなるわけで、人間の悲しさやずるさ、暗黒面もひっくるめての「人間賛歌」がテーマですから。
すると、第4部の悪役・吉良吉影に愛情がわいてきたりするんですよ。
彼は異常殺人者だけど、誰よりも心の平穏を求めている。そこが個人的にはいいなあと思う。

石田記者の「吉良は少年誌らしからぬキャラクターだった」という言葉に対して、「魔少年ビーティ」も編集部に「不健全だ」と大反対されたエピソードを披露する荒木氏。

大して石田記者は、鋭いツッコミを。

でも、最近のジャンプって、死に神とか悪魔とかばっかりじゃないですか。みんな荒木さんの影響では。

オレ、何か悪いことしちゃったのかなあ(笑)

楽しそうなインタビューですね。

現在連載中の第7部「スティール・ボール・ラン」について。

スタンド能力は)そう、究極まで行ってしまって。だから第7部ではスタンド能力をシンプルに戻した。単純だけど何か変わっているという感じに。

また、時間軸がずれていることについては、

 第6部でスタンド能力やキャラクターの人物像など、行き着くところまで行ったという感覚があったんです。この先どうしようかと考えた時、もう一度原点に戻ってみたいと思った。
第6部で歴史が終わっているので、第7部はいわば、パラレルワールド(並行宇宙)。
僕はキャラクターの生い立ちとか「因縁」とかにこだわりたいんです。
第7部に過去に登場したキャラクターが出てくるのは、自分の作品から「因縁」を借りてきているということなんです。

と話しています。

絵柄がリアルに変化したことについて。

 ルネサンス絵画の陰影法を意識しています。今の「ジャンプ」を見ても、マンガの絵は記号化の方向に向かっていますが、僕はむしろ古典の方に行きたい。


最後にファンなら皆が聞きたい質問を代弁して。

第4部に登場する漫画家の岸辺露伴先生は、やはりご自身がモデル?

 みんなそう思っていますが(笑)、僕はあんなに意地悪じゃありませんよ。
あんな漫画家がいたらすげえなあというあこがれです。

でも、どこか通じるところもあるのでは?

うーん、好奇心と創作への欲求だけで生きている男だから、そこは似てるかな……。
露伴は名探偵・金田一耕助のイメージもあるんです。
最近、日本の妖怪に興味があって、何であんな変なものがいるんだろうって考えるんです。
僕は妖怪や幽霊についても、「存在のルール」が知りたいんですよ。
僕の創作のエネルギーは、「この世の謎」なんですね。

という事で、荒木氏の妖怪モノも読んでみたいものですね。

インタビュー右側には「荒木ワールド キーワード事典」として、「ゴゴゴゴゴゴ」や「ジョジョ立ち」などの基本用語のほか、「魔少年ビーティ」や「バオー来訪者」なども紹介されており、石田記者やりたい放題って感じでした。GJ!



<追記>
@JOJOによると、週刊SPA!でもインタビューが出てるそうで、やはりアニメのプロモーションですねぇ…

2月13日発売の週刊SPA! 2/20号は、「ジョジョが20年続く理由」荒木飛呂彦ロングインタビューが4P掲載!@JOJO

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