仮想都市は電脳コイルの夢を見るか

少し前の話ですが、頻繁に「うちもセカンドライフにちょっと島を買いたいんですが…」とか、「セカンドライフに出店したいんだけど、いくら?」と聞かれた時期がありました。

まあ、日本人には合わないので流行らないですよとか、セカンドライフは参入したというリリースがパブネタになる以上の効果は無いですよとか、ネットリテラシーの低い企業人が踊らされているだけですよとか言ってかわしてきたのですが、大手広告代理店が参入するに至って、セカンドライフオワタ\(^o^)/感も最高潮、これでこの手の質問に悩まされる事も無いと一安心してたのですが…


日本人に向かないのを理解した上で、「日本人向けのセカンドライフ2.0を作るんじゃ〜!これで一儲けじゃ〜!」というニュースが散見されるようになってきました。


トランスコスモス、産経新聞社らと3D仮想コミュニティーを運営する合弁会社を設立

SBI RoboがSTUDIO 4℃とジョイントベンチャー--仮想世界「東京0区」構想が明らかに


という事で、トラコスがプロダクションI.G.ぴえろを引っ張ってきたかと思えば、ソフトバンクSTUDIO 4℃を擁立する、という具合にアニメプロダクション争奪戦の様相を呈してきました。

次はGONZOマッドハウスか?って感じで、乱立すればするほど個別の集客力が小さくなって、合従連衡がおこって最終的に寡占化されるんちゃうの?と思ったりします。
う〜ん、それなんてポータル戦争?てっとこでしょうか。


それはともかく、トラコスの作る3D仮想空間が「東京をリアルに再現する」という部分はちょっと面白いと思いました。

この空間は「meet-me」と名づけられ、このような運営方法を想定しているそうです。

meet-meは、PCに専用ソフトをインストールして楽しむ、Second Lifeのような3D仮想世界だ。現実の東京23区内の建物を精密に再現した街を作り、ユーザーが自由に動き回って他のユーザーとコミュニケーションしたり、アイテムや建物を作って楽しめるようにする。季節や天候も現実世界を反映させるといい、東京で桜が咲いていれば仮想空間でも桜が咲き、東京で雨が降っていれば仮想空間にも雨が降る−−といった形にする。

開発中のココア社長神氏は『「東京23区には170万の建物と500の駅があり、開発はまるで地獄」と言いつつ、リアルな街並みを再現したいと意気込』んでいるそうで、結構リアルな「東京」が再現できるかもしれませんね。

有名な建物についての許諾がどうなるのか心配ですが、WWCITY SHIBUYAのような事例もあるので、案外うまくいくのかも知れません。


meet meの渋谷



WWCITYの渋谷


それはともかく、そんなリアルな東京の3D映像が展開されるのであれば、それをHMDで表示しながら、実際の東京を歩けば、まさにMixed Reality、電脳コイルの世界に一歩近づくって寸法です。

実際には現実世界を画像認識して、全く同じ場所の3D映像を呼び出さないといけないので、半分程度の実現でしかないのですが、結構面白い体験が出来そうですね。

そんな訳で、バーチャル東京にはちょっと期待してもいいかな、と思う今日この頃です。

と、ここまで書いて気付いたのですが、ソフトバンクの仮想都市は、『東京湾に浮かぶ「東京0区」』なのですから、「meet me」の東京湾に浮かべちゃえば、相互接続できるって事ですよね。

もう、みんな東京が好きなんだから…

東京をリアルに再現する“和製Second Life”