第15話「駅向こうの少年」

イマーゴの子供だと思う。…うん。あのカンナって子と同じ…」


タケル、やっぱ暗号屋でしたか。
しかも、葦原カンナ電脳ナビの誤動作で交通事故死した事(或いはその裏事情?)も知っているようで、イサコとは別の一派という感じがしました。


いずれにせよ、古い空間で何かを探している事に変わりはないので、暗号屋の正体は「非合法なデータマイニング稼業」といった趣ですが、イサコタケルのような子供を使って裏で糸を引いている、という構図がなんだかピンと来ませんねぇ…


とはいえ、ヤサコのいい加減な話に付き合って階段探しをしてくれるとは、思春期の少年の下心とは恐ろしいパワーを…なかなかいい奴ではあります。


また、「バージョン5.2以下の古い空間では、生身の体と電脳体がずれる事がある。ずれた時にメガネを外してしまうと、意識不明になったり死んだりする事がある」という新情報を披露してくれました。


…なんだか僕も含めた大多数の予想していた話そのまんまやん!
この程度は誰でも考え付くからもう一捻りするのかと思ってたんですけど?

まあ、これがファイナル・アンサーという訳ではありませんが、流石にそろそろ風呂敷を畳む方向に動き出さないと、未回収伏線が多すぎて収拾つかなくなりそうで、信憑性が高いような気がします。


実際にヤサコが入り込もうとして、キュウちゃんに修復されてしまったバージョン5.19の空間は、「向こうに続く道」が見えていました。
もし、あの道に向かって足を踏み出していたら、一体どこへ行ってしまうのでしょう?


古いバージョンの空間に入った電脳ペットは、壊れてしまうし保証も受けられない、という設定が最初の頃に出ていたと思いますが、人間の電脳体も同じ事が起こるのでしょうね。
しかも、人間の電脳体は意識も一緒に持っていかれてしまう…これはヤサコの話にも合致します。


どうやら、魂を持って行かれた誰かを連れ戻す、という黄泉津平坂噺(6話感想でネタにしました)になっていくのかな?


ちなみに「イマーゴ」が電脳メガネを非接触操作するだけではなく、電脳世界への直接干渉が可能なのでは?という説は7話感想で唱えていたのですが、これも当たりっぽいですね。



さて、仕込まれたネタも随分見えてきた感じがする中で、やはり収斂に向かっているのか、ヤサコの記憶が一部戻り始めました。


祖父の葬儀の折に迷子になった事実は、母親の証言で確定したのですが、その時の記憶が更に戻ってきました。


これまでは、鳥居の階段を昇ったところで4423に出会い、デンスケを見つけてもらった、という出来事でしたが、そのディテールや後の事を思い出してきたようです。


断片的な記憶を繋ぎ合わせると以下の通り。

4423と一緒にいる所を、イリーガルらしきものに襲われ、4423が身を挺して庇ってくれた。
・しかし、ヤサコが逃げ切れているのかよく判らない。
4423と別れた後、迷子になり同じ場所を何度も回っている
・その時に人型のイリーガルと出会う。
・人型のイリーガルも迷子になっている様子。しかも4423を探している。


4423といる時に襲われた後が曖昧なのですが、その前であればデンスケを見つけていないので、人型のイリーガルとの出会いは4423との邂逅後と思われます。


という事は、4423ヤサコを襲ったイリーガル(らしきもの)と、ヤサコがであった人型のイリーガルとは別物でありながら4423を探し、必要としている、という事になります。


もっと短絡的に考えると、ヤサコが出遭った人型のイリーガルこそ、4423から「ずれてしまった」電脳体で、本来の自分自身である生身の4423を探していたのではないか?という仮説が浮かんできます。


子供の魂を食ってしまうイリーガルとは、生身の子供から「ずれて」引き剥がされてしまった電脳体の成れの果てで、元の体を探して、別の子供を引き摺り込んでいるという構造のような気がします。


大体の仮設が固まった所で今週は以上です。
次回第16話は「イサコの病室」という事で、やはりあれは病室だったのですね。
という事はやはり「No Image」とは、電脳体を引き剥がされてしまい意識不明になっている「お兄ちゃん」の姿なんでしょうか?
アキラのピーピング・トムも流石に侵入できないようです。


どうも、意識不明・植物人間というのが出てくると、子供向けには重過ぎる、と思うのですが、やっぱりそっちに行っちゃうんでしょうか?
予想の斜め上を言って欲しいなぁ〜


今後のサブタイトルも意味深です。

9月15日 第16話 イサコの病室
9月22日 第17話 最後の夏休み
9月29日 第18話 異界への扉
10月 6日 第19話 黒い訪問者

全26話までまだ11話もあると思うと嬉しいのですが、なんか暗い感じのサブタイトルが続きます。
ハッピーエンドになって欲しいものです。


あと、ヤサコ金沢の親友を全く覚えていない様子も気になります。
どの時点でかは不明ですが、ヤサコが記憶操作を受けている疑惑もほぼ確定ですよね。


それはそうと、レトロな屋上遊園地に和みました。
ハルヒ13話で出てきた阪神百貨店の屋上を思い出します。いいなぁ〜、こういうの。


という事で、来週も楽しみです。


<関連記事>
第14話「いきものの記録」

第13話「最後の首長竜」

第11話「沈没!大黒市」

第10話「カンナの日記」

磯光雄監督インタビューより

メモ

第7話「出動!!コイル探偵局」

第6話「赤いオートマトン」

第5話「メタバグ争奪バスツアー」

第4話「大黒市黒客クラブ」

第3話「優子と勇子」

第2話「コイル電脳探偵局」

第1話「メガネの子供たち」


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