Chumbyを触ってみた
一応この春から話題だったらしい「Chumby(チャンビー)」、入手することが出来たので少々触ってみました。
といっても、借り物ですが…
「Chumby 9000」というWidgetを実行中。♪Daisy,daisy…
「Chumbyって何?」という人は、この辺りをご覧ください。
という事で、インターネットラジオ、時計、デジタルフォトフレーム、iPodスピーカーなどの機能とWidgetsによるコンテンツリーダーといった機能が搭載されたデジタル・ガジェットをかわいらしいデザインでパッケージしたものです。
とはいえ、僕も殆ど予備知識無しで触ったので、諸々間違いあるかもしれません。
Chumbyの操作は基本的にタッチパネルで行います。
公式サイトでアカウントを作って無線LANに接続すると、様々なWidgetをChumbyに送って楽しむ事ができるのですが…
無線LAN接続のWEP Keyが16進数入力だったり、微妙に面倒です。(最初キーボードが足らない!と焦りました)
普及させたいならもうちょっと楽な方法にしないと厳しいでしょうね。っていうか、WEPが既に終わる規格なので、もうちょっと強度のある暗号に対応して欲しいものです。
で、いくつかWidgetを入れて遊んでみて感じた事を徒然と書いてみます。
まず面倒だと思ったのは、AC電源しか使用できない事でした。
このサイズのデバイスで、パーソナルユースを志向しているのであれば、当然バッテリ駆動で家中あちこち持って回れるものだと思うのですが、残念ながらAC電源が必須です。
実は裏面にマジックテープの付いたポケットがあって、そこに006P 9V電池のコネクタが隠されていました。
けれども、FAQによると、これは将来的な使用を見越して搭載されているもので、現状で使用すると故障の可能性があり保障も無効になるかもしれないそうですので、使わないでおきました。
9ボルト電池のコネクタを見つけました - 使えますか?
使うことは出来ません。9ボルトバッテリでの検証は出来ておりません。予想外の動作をしたり、ダメージを負ってしまう可能性があります。将来的に使えるようになるかもしれないので組み込まれていますが、現在は使えない上、保障が無効になる恐れがあります。
それにしても、何故バッテリ式にしなかったのでしょうか?
FAQでは、3.5インチのディスプレイと無線LANデバイスなどを駆動するためには大きなバッテリが必要で、そうすると高くなるって説明がありますが、低消費電力な実装が出来ないだけっていうのは酷かな?
まあ、量産効果が想定できるほどロットも出ないビジネスモデルのような気もしますし。
あとは端的に言って面倒臭い、です。
サイトでWidgetを探して、本体に送って…ってやるくらいなら、手元のPCで見れば良いですから。
ノートPCやらケータイやらPDAやら持っている身としては、こんな面倒な事するより、端末搭載のWebブラウザで見れば良い話で、それをAC電源に繋がれたデバイスでわざわざ見ようって気にはなりません。
(僕がおっさんなだけかもしれませんが…どうなんでしょうね?)
という事で、個人的にはイラネーっていうのが結論です。
もうちょっときちんとどんな使い方・遊び方が出来るかを知りたい方は下記サイトをご覧頂くとよいかと思います。
さて、今回Chumbyを預かったのは、このプラットフォームでビジネス展開が可能か?というお題を頂いていたからなのですが…
その為には、そもそもChumbyがある程度の数普及する事が前提になるわけで、それを判断するためにはChumbyのビジネスモデルを理解しなければなりません。
ちょうどお誂え向きの記事がありました。
まもなく日本発売のChumby、「実は広告が収益源」--米国からCTOが来日
えぇっと、「主要な収益源は広告収入」ですか…え〜〜!?
収益モデルはプラットフォームでの広告収入を考えていますので、ウィジェットも自由に使っていただけます。Chumbyを使っていると、ときどき自分が設定していない広告が表示されます。それが広告収入につながっていきます。これからChumbyの出荷台数が増えるにしたがって、ターゲットとなる層に効果的な広告を出すことも可能になると考えています。(Andrew Huang CTO)
う〜〜〜む…
基本的にChumbyって、「PCを起動しなくてもネット上の情報を好きなように集めて、見る事が出来るビューワー」というものだと思いました。
ビューワーですから、予め選んだコンテンツを次々と眺める、という使い方がメインで、ユーザーが起こすアクションに応じてコンテンツ内容が変わるインタラクティブな使用法ではないわけです。
すると、そこに広告を配信しても、ユーザーは見たり聞いたりするだけであり、現状のネット広告と変わらないか、直接アクションに繋げないだけ旧メディアと同レベルの効果しか期待できないのではないでしょうか?
まあ、そのプラットフォームがDSやPSPのように1,000万台といったレベルで普及していれば、それも一つのメディアである、と言えるかも知れません。
しかも、このビューワーは自宅内に無線LAN環境が構築されている事が前提条件ですから、既にネット接続されたPCを持つ人が、2台目以降に購入するという想定になります。
そのために3万円近くsのお金を出す人がどれだけ居るのか?
勿論面白がって買ってくれる人も一定数いるでしょうけれど、メディアと言えるほどの普及というのは、ちょっと想像できません。
僕ならあと2万足してネットブックを買います。
(そこに広告を出稿するクライアントがいるのかも疑問で、このビジネスモデルは危ないなぁ)
すみません。
ガジェットとしては面白いけど、このプラットフォーム上でビジネスっていうのはちょっと厳しいと思いました。
あと、感覚的に言うと、ChumbyでWidgetを登録してコンテンツを見るのって、RSSリーダを使ってWebを巡回するのと似たような感覚ではないかと思います。
で、恐らくRSSリーダを使いこなしている人が爆発的に増えていないのと同様、そういう面倒くささが「普通の人」には敷居を高くしてしまうのではないかと思います。
という事で、DSiを予約できなくて涙目のままレポートを終わります。