第4話「大黒市黒客クラブ」

1日遅れでやってきたもう一人の転校生、天沢勇子
他人を寄せ付けない雰囲気の勇子に、優子、フミエダイチは悉く拒絶されました。

これに逆切れしたダイチは、まず優子にバナー爆弾をお見舞いしますが、これはフミエが処理します。
この辺のダイチの台詞回し、「うる星やつら」のメガネを彷彿とさせます。

次に勇子を標的にするダイチですが、3倍返しの報復を喰らい、敢え無く撃沈。
「有償自動修復ダウンロード」でメガネを修復していますが、いきなり2万7千円くらいかかってますね…

ここで、勇子がメガネの隠し機能「イマーゴ」でメガネを操作しているのでは?という疑問が、ダイチフミエに沸き起こるのですが、視聴者には勇子の瞳が発光することでメガネを操作しているのが見せられていました。


イマーゴ」が脳波で操作するものだとすると、初期型のメガネに搭載されていたものの、問題が起こったため普及型では削除されたと見るべきでしょう。(イマーゴについては、後述)

イマーゴ」で発生して隠蔽されているトラブルとは何でしょうか?
電脳空間に没入した意識が戻ってこれなくなるとか、そういう類のもののように思います。
ミチコさんに連れて行かれる」というのも、そういう都市伝説のような感じですし。


さて、メガネを機能破壊されて収まらないダイチは、放課後勇子を偽メールで呼び出します。
この直前に、勇子に仲良くしようと声をかけた優子は、勇子に「前の学校でイジメに関わっていたので、新しい学校でやり直そうとしているのか?」と言われます。
小説版では、そんな単純な話ではないのですが、アニメ版では、優子がそれで言い返せなくなるあたり、人物描写に関してはあまり深くしないようにしている感がありました。


これは、勇子の性格も同様で、小説版では勇子は偽メールと看破しながらも敢えて向かっていきますが、アニメ版ではあっさりと騙されてしまいます。
この辺りは、アニメの本来視聴者層も含めて騙されていきなり攻撃されるスリルを味わってもらおう、という演出なのでしょうね。


また、渡り廊下は、小説版では清々しい光に満ちた礼拝堂のようなイメージを持っていたのですが、アニメ版では普通の廊下になっていました。
今後「特別な場所」として登場することは無いのでしょうか?

この「渡り廊下」と、前回書いた「空中庭園」は、小説の中でも最も印象深い情景だったのですが、どちらもアニメでの描写が全く違っており、ちょっと残念でした。

小説版ならではの描写であり、読む楽しみ、深さを感じさせる部分ではあります。


そして、遂に電脳戦争が始まります。
アクションシーンは、サッチーに追われての戦いが殆どだったこれまでと違い、圧倒的な迫力でした。
つーか、直進君はマシンガンかよ… 見かけはミサイルポッドなのに
あと、ショートカット円盤の円周を回る文字は、明らかに攻殻機動隊してました(^_^;)

そういえば、サッチーの顔マークが旧郵政省のポストン君である、という説は、反転した「郵」の文字を使って空間転移してくる場面からも有力ですので異論を挟む気は無いのですが、感覚的には、ショートカット円盤の外周文字や、サッチーの無表情な顔マークを見ていると「笑い男」を想起して仕方が無いです。


それにしても、直進君に被弾した勇子の手がイメージ修復かかってるけど、やはり勇子は電脳物質と人体とが重畳しているという事でしょうか?
だとすれば、前回勇子の肩に鍵穴が開いたのも頷けます。

また、それが「イマーゴ」によって生じる問題なのかもしれません。


圧倒的な力の差で、黒客クラブを殲滅した勇子は、次にフミエにその牙を剥きます。
(4年生の子が無傷で残っていて、しかも6年生が気付かなかった鉄の防壁を解除する方法を見つける実力の持ち主だったのが、今後伏線となるのか気になる所ですが)


フミエ vs 勇子の電脳戦争は、小説版では最終的に優子の力を借りてほぼ互角だったのですが、アニメ版ではフミエが実力で引き分ける感じです。
小説版よりかなり頼れるなぁ、フミエちゃん。


という事で、ダイチは予定通り、フミエは予想以上の力を発揮した電脳戦争が終わりました。
勇子の足に貼られた電脳お札(GPS機能付タグ?)が次回以降どう使われるのか楽しみです。
(校舎内での居場所探索だけに使用されていたのでしょうか?)


それにしても、悠然と座りダイチから奪った「ショートカット」を召し上げるその態度、やはり小学生には見えません。
だがそれがいい。>イサコかっこいいよイサコ



て、鉄雄ぉぉおおお!(違


さて、メガネの非接触操作方法については、★究極映像研究所★さんの検証が非常に興味深いです。

しばらく前から読んでいて、僕なりに「コイル」の意味について考えていたのですが、僕としては子供向けの話で人体埋め込み系のデバイスというのはあまりやって欲しくないなぁ、と思ったのでスルーしてたのですが、今回勇子のイマーゴが、瞳を発光させる描写だったので、避けて通れなくなったと感じました。


少なくとも勇子に関しては、脳波による制御信号を光に変換してメガネの操作をしている、と見るのが一番妥当なわけで、脳波検出機構と発光装置を体内に埋め込んでいるとしか思えないです。

普通のメガネが、仮想キーボードを叩く筋電位を検出して操作され、筋電位を検出するのがコイルである、という説には若干抵抗したいところです。

僕としては、メガネのつるそのものが、超小型のNMRS(核磁気共鳴装置)みたいな装置として、脳波もしくは筋肉への指令電位などを読み取っている(あんな大げさな装置がメガネのつるになるわきゃないのは承知のうえ)程度にしておきたいですね。

まあ、侵襲的な手段が嫌い、ってのもあるけど、第1話で優子がおじいちゃんから初めてメガネを貰ったときに、箱から出してかけるだけで使っていた、という描写で補強しておきたい気分です。

じゃあ、コイルとは?って疑問は残りますが、これはメガネのつるにコイルが入っているとかでは…?弱いな、弱すぎる。

また考えときます〜


あと、小説版だけではメガネは子供専用になっていますが、今回明確に「教師用」が登場したことで、アニメ版ではこの世界の普遍的なデバイスになっていると考えられる点もメモメモ。


それと、ハテナ電脳コイルに入ったのですが、どう使えばいいのやら…
リングと勘違いしてました。


<関連記事>
第3話「優子と勇子」

第2話「コイル電脳探偵局」

第1話「メガネの子供たち」

電脳コイル 1 (1)

徳間書店

このアイテムの詳細を見る


[雑記]ゲツヨル!

今オンエア中のゲツヨル! スタジオジブリ
スペシャル!!
、録画しとけば良かったよ…

それにしても、「となりのトトロ」と「火垂るの墓」の同時上映について、2本の劇場用アニメを同時に制作・完成させて上映することはプロダクションとして初、といったナレーションが流れてましたが、嘘はいけませんね。

火垂るの墓」は、完成してませんでした。

なにせ、劇場で見たときには、彩色していない動画が流れていたのですから…

まあ、日テレがそんな事言える訳も無いけど…